カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

小さな家の税金

2009年3月に取得した土地の不動産取得税は既に支払い済みだが、その一年後に完成した家屋の不動産取得税は都税事務所による家屋調査の目処が立っていない
昨夏以来暫く放置していた都税事務所から再び文書が届く。
「家屋調査への立会いの都合がつかなければ必要文書(建物の見積書、平面図など)を提出すればそれと外からの現況確認をもって税金を算出する」とある。
なんだ最初からそう言えばいいのに。


早速書類を郵送する。床面積がかろうじて50㎡を超えるこの家は新築住宅に対する不動産取得税軽減措置の対象となる。即ち、通常であれば「建物価格の3%」が不動産取得税として課せられるところ、建物価格から1,200万円が免除され「(建物価格-1,200万円)×3%」が取得税となる筈だ。
どの程度にまで安くなるか楽しみに待つ事二週間、都税事務所から電話が。


「算定の結果、建物の不動産取得税は免除となりました」


あっそう。ってええええ
それは幾らなんでもディスカウントしすぎだろ。そこまで安かないぞ。

よくよく確認してみると、税務署が税金算出の根拠となる「住宅価格」は実際の工事費ではなく、独自の「固定資産評価基準」に基づいて算出されるらしい。
彼らの評価基準に拠って見積もったこの家の価格は丁度免除額と同額程度となったというのが不動産取得税免除の理由。

実際にかかった費用とは相当な乖離があるので些か面白くない気もするが(本当にそんな金額で建ったならどんなに楽なことか)、ともかく税金など安いに越したことはない。まずはめでたし。
これも小さな家※1によってもたらされた思わぬ恩恵。
いや小さいってのは便利だね。

引き続き、支払い済の土地の不動産取得税の減免(還付)請求書類を送付する。
税金の徴収には並々ならぬ執着を見せるが、税金の還付にはまるで興味がないというのが税務署の常。
世知辛い話だが、知らない者は損をするというのもこの世の常だ。


これら不動産取得税軽減の肝となるのは建物の床面積で、50㎡が軽減措置を受けられるかそうでないかの分かれ目となる(自分が設計の打ち合わせで50㎡の確保に拘った理由がこれ)。

小さい家は好ましいが、小さすぎてもいけない。
いやいけないって事はないが、少しばかり損をする。
都内であれば狭小地といえどもそれなりの額になるので、税金もそれなりの額に達する※2
これから小さな家を建てようとする人は頭の片隅にでも憶えておくのがいいだろう。



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※1 加えて木造であるのが効いている。これが鉄骨やRCの家であればそれなりに高く見積もられ、幾らLWHといえども取得税ゼロでは済まなかった事だろう。実際の工事費も木造より高くつくのだから当然と言えば当然か。
※2 この小さな家と小さな土地ですら、軽減される税額は軽く数回分の車検費用に相当する。