カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

さらばソニーナビ

ソニーがカーナビ事業から再び撤退したというニュース。
XYZという斬新なポータブルカーナビでカーナビ事業に参入したものの数年で撤退、ほどなくしてやはりポータブルナビのnav-uシリーズで参入するもまたしても数年で撤退の憂き目に。三度目の参入はないだろう。

決してソニーファンではないのだが、結果として自車のカーナビはXYZからnav-uとソニー一筋。
基本的にソニーのカーナビはナビそのものはウンコなのだが、動画再生や音楽再生などナビと関係ない機能が妙に充実している一風変わったナビで、自分はその変さ加減が気に入っていた(実際、今となっては全く旧世代の機種であるXYZシリーズには今なおもって根強い固定ファンが存在する)。nav-uはだいぶ普通になったが、カーナビ業界に殴り込みをかけたXYZシリーズはまず自宅PCに繋ぐ事が前提というiPadにも似たコンセプトで、ナビというよりカートップPCとでも呼ぶべき代物は発売された2004年においては相当に斬新なものだったのだ。まあ他社はどこも追随しなかったが。

ともあれこれでソニーのナビ事業はおしまい。不採算部門をクローズして資源を集中させるのは営利企業として当然といえば当然なのだが、その理由がなんともいただけない。

ナビ機能が付いたスマートフォン(多機能携帯電話)の普及などで、事業拡大は見込めないと判断した。
スマホがナビに完全に取って代わることはない。何となればまず絶対的に精度や反応速度が本職のナビには敵わないし、特に電波の届きづらい市街地であれば自律航法システムをもたないスマホの簡易ナビはさらに頼りないものとなる。画面も小さくて見づらく、操作性も劣る。車の運転中という危険な状況下でのみ使用されるカーナビはドライバーのよそ見を最低限に抑えるのが至上命題なのだが、スマホアプリのナビでは勿論そういった考慮はあまりされていない。時速40kmでの走行中に3インチ程度のスマホ画面を覗き込んであれこれやるのは相当に危険な行為であるのは誰でも容易に想像がつく事だ。
ではこれらの欠点を克服すべくナビ機能を強化したスマホが出現するか?マーケットがニッチすぎてそれはないだろう。価格も大幅に上がるだろうし、だったらナビ買えばという話になる。

という事で、これが言い訳ならともかく、本気でスマホに敵わないからと思っているのであれば…なんかニーズの捉え方がずれているというか、現在のソニーの凋落ぶりもむべなるかなと思ってしまう。父テム・レイに再会したアムロの心境というと言い過ぎかしらん。