カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

介護生活

急に牧草を食べなくなり、ケージから外に出ようとしなくなったので病院に連れて行ったのが昨年の夏の初め。夏バテかと思っていたところ、検査の結果奥歯が半分以上なくなっているのと動脈硬化を患っている事が判明。
歯がなくては硬いものを食べられないわけだ。
ともに何か原因があっての疾患ではなく老化によるものなので根本的な治癒は望めず、投薬によりできるだけ進行を遅らせる対症療法にとどまる。

それ以来、坂道を転がり落ちるように老化が進行。
足腰が弱りトイレに乗ることも難儀になったのか、ケージの中で垂れ流し状態となったのが昨秋。
運動のためにケージの外に出してやると少し飛び跳ねてはバランスを崩して転倒するようになったのが年末。
頭の方も耄碌してきたのか、ケージの外に出してやった途端に粗相するようになったのが先月。※1

粗相されるのは大いに困る。かといって、ケージの中に閉じ込めておくだけではますます足腰が弱り身体も頭も老化が進行してしまうであろう事は明白。
粗相するならおむつを履かせればいいじゃない。
ということで、

さすがにその辺のペットショップには売ってないのでお取り寄せ

体型が違うので今一フィットしないのが難点で、本人も以前であればこんなものを履かせられたら気にして仕方ないところだろうが、今となってはちょうどいい具合に頭がボケているのでさして気にもせず、不格好な紙おむつを尻に貼り付けたまま上機嫌でその辺を徘徊。
これで粗相問題はひとまず解決。そう遠からず訪れるであろう最後の日まで上機嫌でいてくれればいいのだけれど。


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※1 驚くべき速さで進行する衰弱の経緯をこうして書き記していると、昔何かの本で読んだガダルカナル島日本兵の間で広まっていたという余命判断を想起せずにはいられない。
立つ事ができる者 一ヶ月後
・体を起こして座れる者 三週間後
・寝たきりとなった者 一週間後
・寝たままで垂れ流すようになった者 三日後
・物を言わなくなった者 二日後
・瞬きしなくなった者 明日
餓えと病気の極限状態に置かれた戦場で誰が言い始めるともなく広まったこの余命判断は不思議と外れる事はなかったというが、我が家の老兵は毎日二回与えられる二種類の薬と栄養補助剤と流動食で何とか小康状態を保っている状態。