カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

階段ボックス板張り(1) 樹種の選定

階段ボックスにどんな板を張るか。
フレームとなっている角材と綺麗に面一になるように張られている合板の上から重ねて貼る以上、板の厚み分だけ不細工な出っ張りが出てしまうのは避けられない。なのであまり野暮ったくならないよう、出来るだけ薄い素材を探す。
そういうことならホテルライクなゴージャス感を演出できるシャレオツなウェンゲのプリント合板の壁材がうってつけ。厚さも僅か4mmで条件にぴったり。うん、それはやめておこう。今更ホテルライクが似合うツルピカな家でもないし、そもそも合板の上にわざわざもう一度合板を貼り付けてどうする。
ここは無垢の板、しかも木目が綺麗に出る種類である事が条件だ。

???『杉だ!杉板にしよう!』

…誰かの声で空耳が聞こえたような気がするが、探してみるとR不動産ツールボックスでは塗装済みの5mm厚の杉の足場板を取り扱っている。これはなかなか良さそうだ。しかし更に調べると別の業者で4mm厚のオーク板も見つかった。よし、こっちにしよう
杉材ではなくオーク材を選択した理由はまず安いこと※1、そして(1mmとはいえ)より薄く貼り上がりの違和感が少なそうであること、うっすら塗装済みの杉板に比べ全く無着色でより自由な色付けが可能であること、杉より男性的な表情が我が家に合いそうなこと、杉とウォルナットと檜で出来ている我が家で未使用のオークをここいらで取り入れてみたくなったこと、S氏の家といえば杉板というお約束※2にあえて逆らってみたくなったこと。まあ最後のは冗談としてもこれらの理由は結局後付けであって、決めた時はただ単にピンときた方を選んだだけだったりする。これまでの経験上、情報を得るだけ得たら後は下手に考え込むより「何となく」の心の声に従って決めた方が結局正解に近い事が多いのだ。
今回の選択が正解だったかどうかは、さあ。少なくとも施工ではかなり苦戦したのだが。いや合板って素晴らしいですね。

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※1 似たような、というかサイズも厚さも全く同じオーク材はツールボックスでも取り扱われているが、なぜか値段が二倍ほども違う。流通経路が違うのか、代理店マージン乗せすぎなのか。
※2 京都銘菓といえばおたべ、埼玉銘菓といえば十万石饅頭、ペーといえばパー、そしてS氏といえば杉三昧である。