カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

出木杉君には親しみを感じない

創刊当初は色物扱いされたりネタ扱いされたりしながらも気が付けば創刊16年、この出版不況の中でもすっかり定着したチョイ悪(を目指す)オヤジ向けファッション誌の元祖LEON。
創刊当初から変わらぬ「必要のはお金じゃなくてセンスです」というキャッチコピーを表紙に掲げながらも手に取ってページをめくればグラビアページに登場するおやじモデルが身に着けるアイテムはプラチナのクロスペンダント49万円だのレザーシャツ19万円だのリネンスーツ50万円だの、いや必要なのはセンスなんちゃうんかいと突っ込みたくなる超高級品ばかり。コピーとは裏腹の「オヤジの武器つったら金に決まってんだろが若い子口説くには金だろカネ」という下世話な本音を隠そうともしない素敵な紙面構成を創刊以来貫いている、遊び人(を目指す)オヤジ世代のバイブル的存在だが、そのLEONを彷彿させるのが時々目にするこういった素敵なリフォーム・リノベ業者の施工事例。

いや、元々が豪邸で金に糸目付けなかったら誰がどうやったって素敵になるに決まってるだろうと。

「一番のインテリアは広い空間」という言葉もある位、モノのない広々とした大空間はそれだけで雰囲気があるもの。それプラス金に糸目をつけないリノベならカッコ悪くする方が難しいという。こんな出来杉君みたいな事例の何がどう参考になるというのだろう。
LEONを手に取る読者の殆どは誌面に登場するハゲすらカッコいい中年外人モデルのような容姿も、全身で100万円を軽く超えるコーディネートを揃える経済力も持ち合わせてはいない。同様にリフォームやリノベを志す消費者の多くは豪邸に住んでいる訳でもなければ青天井の予算をもっている訳でもない。なれば、広くも豪華でもない普通の家を限られた予算で以下にセンス良く仕立てたかという実例の方が遥かに自社のアピールになると思うのだが。それこそ「必要なのはお金じゃなくてセンス」でしょ?