カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

路上の段差トラップ

時を追うごとに深刻さを増す谷垣禎一氏の負傷報道。現時点ではどうやら頸髄損傷らしいと報じられているが、事実であれば当初報じられていた「軽傷だが大事を取って入院」どころでない危機的な状況で、政治生命どころか社会復帰すら危ぶまれる重傷であったということだ。
別に氏に恨みはないので深刻なことになっていないことを望むばかりだが、一向に明らかにならないのが事故の状況。

・皇居回りを
ロードバイクで走行中に
・自爆事故で転倒し負傷

程度の報道では何が何やらさっぱり分からない。
一部で推測されているのが道路と歩道の段差に引っかかったのではないかというもの。
ロードバイクのタイヤ幅は23㎜-26㎜程度と極めて細く、当然の如く悪路には弱い。特に浅い角度で進入した段差をタイヤが乗り越えられずコントロール不能に陥って転倒するという事故はロードバイクの転倒原因としては非常にポピュラー、あるあるの一つと言っていい。
この動画は非常に状況が分かりやすい。これはロードバイクでなくママチャリだが浅い角度で歩道に進入した結果タイヤが引っかかって落車、もんどりうって背中を強く打っている。
或いは仰向けの転倒でなくこのような体勢で顎を打ち付けた可能性もある。頸髄損傷の可能性が高いのはこちらの方かもしれない

しかし歩道と車道の段差は誰の目にも一目瞭然であって、老いたりとはいえ谷垣氏ほどの大ベテランが今更そんな分かりやすい段差に引っかかるだろうか。自分としては車道と歩道の段差ではなく、車道と路肩の段差に引っかかったのではないかと推測する。
コンディションが悪い舗装路では車道と路肩で1㎝-2㎝程度の段差が出来ている場合もあって、その程度の段差でも進入角によってはロードバイクの細いタイヤは乗り越えることができない。路肩は本来車両が走る場所ではないのだが危険を避けるためにやむを得ず一時的に路肩走行をしなければならない状況は多々あり、そして歩道と車道の段差と違い路肩と車道の段差は非常に分かりにくい。疲労で注意力が落ちているところにそのようなトラップが出現したらベテランであっても引っかかって落車となってもおかしくない。
うんそうだそうに違いない。先週そのパターンで落車した自分がいうのだから間違いない。肘を擦りむくなんて何年ぶりだ。

日本の道路状況はまだまだ自転車には過酷そのもの。街中を走るからには気合を入れて、集中力が落ちる前にさっと切り上げるのが安全な乗り方であるかもしれない。