カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

冬寂の朝

一般的に仕事納めは28日だが、現在の勤務先の仕事納めはもう少し遅い。
多くの人が家でゆっくり休んでいる日にいつもどおり出勤するのは損しているような気もするが、年末の朝の、人も車もがら空きの道路を独り占めできるのは何となく得した気分にもなる。

車線の真ん中まで出て両手をハンドルから離し、上体を起こせば
眼前には黄葉の落ちかかった銀杏並木と、アイスブルーの冬晴れの空。
仰ぎ見て、冷たい空気を深呼吸しながらゆっくり進む。

このささやかな贅沢が許されるのは年末年始の数日しかない。
今年はもう終わってしまったので、また一年後のお楽しみ。