カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

東北GT(2)入道崎・真山

東京からむつ市までおよそ800kmの距離を一日で走破してしまうと距離に対する感覚が狂ってきて、「400km?そんなに遠くないね」みたいに捉えてしまうのが恐ろしい。
第一目的である恐山参りは早々に達成してしまったので残りのプランは割と適当。弘前城は改修のため閉鎖中なのでスルーして、秋田の入道崎までおよそ500km。
日本海に突き出た入道崎は夏休み前の平日とあって人気もまばら。なんにもないなんにもないまったくなんにもない、と思わず口をついて出るギャートルズ世代。

なんにもないなんにもないまったくなんにもない
北緯40度の岩。まっすぐ左に向かえばマドリード、右に向かえばフィラデルフィア
灯台からみてもなんにもない
灯台の袂ではクローバーが満開、花は白でなくピンク
なんにもないなんにもない車もなんにもない
たまに訪れる人がいても灯台に登ることもなくそそくさと行ってしまうのだが、自分にとっては閑散としているところが却って旅情をそそられて好ましい。東京では味わえない閑散を二時間ほど堪能すると、程近くにある真山へ向かう。まやまでなくてしんざん

なまはげ神社として有名な真山神社。参拝殿の脇から昇る五社殿までの道は細く険しく、もののけ姫の世界のようで雰囲気はとてもいいのだが建築資材をどうやって搬入したのか不思議でならない。



総杉造りでS氏好みの五社殿
 

真山神社入口から歩いて一分のところにあるなまはげ館でなまはげを学ぶ。
なまはげラーメンズがネタにしたような生のハゲという意味ではなく、なもみを剥ぐ「なもみ剥ぎ」が訛ってなまはげになったという。火に長時間あたっているとできる火ぶくれをなもみといい、なもみは(外で働きもせず)火にあたってばかりいる怠け者の象徴。そしてなまはげが手にする出刃包丁は凶器ではなくなもみを剥ぐための道具。
祝祭に際し仮装して家々を訪れる風習は世界の各地にもあるらしいが、恐ろしげな衣装を身に纏い怠惰の戒めを第一とするなまはげはいかにも日本らしい。

なまはげ館まで来たらすぐ隣で見られるなまはげ実演を見ずには帰れない。
観客は一回ごとの総入れ替え制だが、スケジュールを確認したらなんと一日13公演。AKBもびっくりの超ハードスケジュール。それなりに声も張っているので一人で朝から晩まで全ての回に出られる訳もなく、なまはげキャストが沢山スタンバイしているのに違いない。すごいぞなまはげ48

なまはげ48劇場
生で見るなまはげは迫力満点だが、なまはげ公演の最高の演出は子供の泣き声。
チケットを買ったら開演待ちの観客の中に子供がいる事を確認すべし。