カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

聖夜の惨劇

佐川もロクなもんじゃないなあしかし。佐川がっていうかこの配達員の問題で幸い我が家を担当している配達のおっちゃんはまともな人なのだが、佐川といえば自分自身も被害を受けたことがあるのでやはり印象は宜しくない。40数万円相当の車のパーツを紛失してそのまんまばっくれようとした千葉の佐川お前んとこだよお前んとこ。業を煮やして自ら京都の本社に掛け合って弁償させたからいいようなものの、紛失が明らかになってから何度連絡してもあちらからは電話の一本も寄こさなかったし、多分本気でこっちが諦めるのを待つつもりだったんだろうな。あれ以来佐川を利用したことは一回もないのは言うまでもないが、発送元が佐川使うんじゃ仕方ないしなあ。
まあそういう業界もあるってことで。
しかしよくなくしたよなああんなでかい荷物を。え。


で本題。
むかーしむかし、あるところに。
小さな家に一人で住んでいる男がおったそうじゃ。

あるクリスマスの晩のことじゃった。
男はキッチンに立って洗い物をしていたそうじゃ。

そうすると突然、彼の足元から突然ジョバジョバジョバジョバジョバジョバとあり得ない、容易に想像はつくものの信じたくない音が響きわたったそうじゃ。

恐る恐るシンクの下を覗き込んだ男の目に映ったのは、思いっきり外れた排水パイプとそこから滝のように景気良く噴き出す排水であったそうな。




母さんこれがあのオネガ湖ですかっていうくらい水浸しになったキッチンの床を前に男が立ちすくんでいると、
「旦那」
「旦那」
「あっしらをお使いなせえ」
「お使いなせえ」

「おお、お前らは。そろそろ断捨離しようと考えていた貰いもの粗品タオル七人衆でねえか」


「あっしらこそこういう時に役に立つんでさあ。さあさあ」

「さあさあ」

排水が外れているのでシンクで絞るわけにはいかない。

男は貰い物タオルで片っ端から拭いては洗濯機にぶちこみ、拭いては洗濯機にぶちこみを繰り返し、七枚を費やして漸く床の腐食(恐らく床板の下の下地まで濡れてるしただでは済むまい)を最低限に抑える程度まで水気を拭き取ることができたそうな。

「お前らがいてー助かったのう」

「お安い御用でさあ。あっしらもまだまだいい仕事をs」ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン

男はこいつらを断捨離しないでいて助かったなあと一人ごちながら洗濯機のスイッチを押し、ゴウンゴウンと回る音を聞きながら漸く眠りについたものの、

すっかり寝不足となったせいで翌朝は危うく遅刻するところだったそうじゃ。



はあ~めでたしめでたし。
全然めでたくない!ああむかつく。