カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

二度目の玄関タイル張り(2)セメントでは駄目だった

タイルカットはいつものところにお任せ

注文した玄関タイルが届く。前回と同じくレンタカーを借り、これもまた前回と同じく川口市㈱ハマストーンに持ち込む。個人の細かい仕事も快く引き受けてくれる職人はいそうで余りいない。素人にとって職人というのはなんだか無愛想でとっつきにくい人達という印象を持たれがちな中で、このような個人にも敷居の低い石材店は自分のようなDIY屋にとって貴重な存在。

「こんにちはお久しぶりです。これがそのタイルですか」
「またお世話になります。お送りした図面のようにお願いします」
「また自分で貼るんですか。やりますね(ニヤリ)」
「ええ家の猫のせいで」
「猫」
「猫」
「…図面見るとサイズが色々ですが、どこにどれを使いたいとか希望ありますか」
「えーと今回のは結構色むらがあるタイルなんで。白っぽかったりグレー味が強かったり茶色ぽかったり。出来れば白っぽい色味で揃えたいんですよ」
「んーと、あんまりお勧めしないですねそれは。こういうナチュラルな風合いのタイルは変に計算せずに自然にやった方がいいですよ。でないと却って不自然になるんで」

さすがプロのアドバイスは的を射ている。それでは完全お任せで、と言って預けて待つこと三週間、GWに突入する二週前に綺麗にカットされたタイルが到着。

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宅配便も台車で運ぶ重さ
平成最後のGWに平成最後のDIY開始

満を持してGW初日、いよいよ工事を開始。
今回のツールは

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左から目地鏝(結局使用せず)と貼り付け用のセメント、攪拌機と目地材、5mm櫛目鏝にゴムハンマー、上段は今回初使用のレベリングスペーサーとそのクリップ。

前回は貼り付けにボンドを用いたが、今回は正統派のセメントを用いた施工とする。セメントの食いつきを良くするには既存タイルの表面を斫った方がいいらしいのだが、狭いとはいえ玄関一面のタイルの表面をグラインダーで斫るのも相当に大変な作業だし、騒音や粉塵による汚れもかなりのものとなることが容易に予測され、また斫るにしても均等に水平に斫り下げることが出来なければその上に貼るタイルも凸凹になってしまう等、我が家で行うには色々難点が見つかったのでその過程は省略。ま、接着セメントというくらいだから何とかなるだろう。

 

早速セメントをバケツにあけると規定量の水を加え念入りに攪拌、
頃合いを見て鏝で既存タイルの上に塗り広げ

塗り広げ

塗り広げ。

塗り広、がらない。

どれだけ鏝で均そうとしてもタイルセメントは鏝に絡まってダマになるだけで下のタイルには少しも張り付かない。これはどういうことだ。

ああ、失敗した。ボンドならともかく、セメント程度の接着力では釉薬の乗ったタイルの表面には貼りつかないのだ。タイル表面を斫るのを怠ったのが原因なのは言うまでもないが、とはいえ斫るのも無理だよなあ。家の中粉塵で真っ白くなっちゃうよ

どうするか。とにかくセメントを玄関一面にぶちまけて、無理やりタイルを乗せて乾くのを待とうか。いやそんなことをしても乾いたらたちまち剥がれてしまうだけで、それこそ取り返しのつかないことになってしまう。

数分の逡巡の後、取りあえず所在なげにタイルの上に乗っている分のセメントを手早く回収しバケツに戻すと自転車で最寄りのホームセンターまで走る。セメント接着増強剤を二袋ほど購入。これを加えれば、あるいは何とかなるかもしれない。
しかし往復のロードバイクの爆走もむなしく、帰宅する頃には速乾性のセメントは早くもバケツの中で硬化が始まっていた。これで万事休す。

教訓:タイルオンタイルにセメントは無理