オスロ中央駅の裏手のオペラハウスから駅を挟んで反対側、駅前から東側に真っ直ぐ伸びる一本道を進むと王宮。東京駅丸の内口からまっすぐ進むと皇居という位置関係とよく似ていて非常に分かりやすい。
通過する駅内はエキナカが非常に充実していてとても楽しい。
中央駅からおよそ2㎞ほど進んだ丘の上にある王宮は驚くほど質素。現在も存続するノルウェー王家が住まうノルウェー王宮は公民館と言われたら納得してしまいそうなほど飾り気がなく、豪華絢爛たるサンクトペテルブルクの冬宮とは同じ宮殿でもこうも違うかとは思うほど対照的。王宮は質素でもノルウェー王家は今も健在で、贅を尽くした宮殿の主たるロマノフ皇家はとうに滅びてしまっているのも皮肉なもの。
オスロとストックホルムとコペンハーゲンにヘルシンキ、北欧四か国の首都は甲乙つけがたく魅力的で、いずれもモスクワのように手に負えないほど広くなく、ほどよく小ぢんまりとしているところも好ましい。可能であれば居候を連れて一カ月ずつ住んでみたいものだ…などと思いを巡らしながら来た道を戻るが、すっかり日が沈んだオスロはいよいよ気温が下がり体が芯から冷えてきた。
暑い日には熱い飲み物を飲めば涼しくなるという。であれば極寒の中では冷たいものを食べれば体が暖かくなるのではないか。という仮説を立証するために通り沿いのアイスクリーム屋に入ってみる。ハードロックカフェではあまりの高さに涙を飲んだ庶民もここなら安心して入れるしね
キンキンに冷えたオスロの街でキンキンに冷えたソフトクリームに齧り付くと…
うん、仮説は取り下げよう。