洗面所リニューアル構想に着手
「この家、この後何か手を加えますか」とこれまでに受けた取材で聞かれる度に「あー洗面所ですかねえタイル貼りとか」と答え続けて幾歳月、気が付けば十年の月日を経て押しも押されぬ中古住宅として一つの節目を迎える年に。
だからという訳ではないが、これまでやるやる詐欺で一向に着手する気にならなかった洗面所の工事をやる気が俄かに逸り立ったのがこの夏。何故かはわからないが、心の中のやる気メーターを欽ちゃんの仮装大賞の得点ゲージに例えれば、十年経って漸く合格ラインである15点に達したということなのか。
どんなタイルを貼るか
さてやっとタイルを貼る気になったのはいいが、まずどんなタイルをどこに貼るか。
当初考えていたのはごくライトな工事。すなわち、洗面台とミラーキャビネットの間にキッチンと同じタイルを貼るだけのお手軽なもの
しかし輸入代理店サンワカンパニーのウェブサイトで確かめたところ、このタイルは既にカタログ落ちしていることが判明。定番でない変わり種のタイルに付きまとうディスコンのリスクにまさにぶち当たってしまった形。これは困った
貼るつもりのタイルがないという事態に直面し、構想は早々に見直しは余儀なくされる。
第二候補としては似たテイストを持つ釉薬に特徴のあるグロッシーなタイル、第三候補は対照的に無機的な表情のサブウェイタイル。
熟慮の結果、似て非なるタイルよりは趣を変えた方が面白いとの考えでサブウェイタイルを貼ることに決定。
タイルが変われば範囲も変わる
インダストリアルな味を持つサブウェイタイルを貼るとなれば範囲も変わる。
だってサブウェイタイルなら、これとか
これとか
この辺のインダストリアルな風合いの照明とかダクトカラーとかと合わせない手はない。きっと相性はいい。凄く似合う。そうに決まってる
そうなると、貼る範囲は必然的に拡大されることとなる。つまり、これくらい。
しかしこれではアンバランスなので、洗面台の上方だけでなく下方にまでバランスよく貼り込んだ方がいいだろう。つまりこれくらい
いやまてよ、壁のトグルスイッチもサブウェイタイルと合わせない手はない。これも劣らず相性はばっちりのはず。
よし、このアルミ無垢のトグルスイッチもサブウェイタイルと合わせよう。
そうすると貼り込む範囲はさらに広がる。最終的には側面の壁にまで貼り込むことに
気が付けば(DIY的には)大工事の計画
当初の構想では数十㎠に施工するに過ぎなかったささやかな工事計画は、結局はその数倍の規模に達するなかなかの大工事にまで発展。
範囲が変われば施工手順も変わり、そうするとそれに連鎖して当初の計画になかった什器まで見直しの対象になったりして、家づくりはこの構想段階が実に楽しい。十年以上も経ってから家づくりの楽しさを再び味わえるとは思わなかった