カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

文化財に張りあう心意気

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我が家の紅葉鮮やかな季節は短い

暫く間が開いた・・ネタが尽きた訳ではないのだがとにかく忙しいというか時間がない。セミリタイア気分と雖も仕事は仕事できっちり拘束され、しかし生活の中心は仕事からシフトしているのでオフは以前にも増して忙しい。ということで煽りを食うのがブログ更新。まあいいやちんたらやろう

最近目にしたクラファンで面白い壁紙が。壁紙であって壁紙でない、というか本物の石材を紙のように薄く削いで壁紙のように使用できるようにしたものがこれ。石材「風」の壁紙は却って安っぽさを増してしまって興ざめだが、これは中々面白いんじゃないかな。新築時に商品化されていたら漆喰を塗る代わりに採用していたかも


壁紙と言えば、11年を経た我が家では最近壁の劣化が著しい。というと語弊があるが、内壁のおよそ6割を占める「ローラー漆喰」がちらほら剥がれ落ちてきているのだ。

漆喰をペンキ感覚で手軽に塗れる!として売り出されていたこの製品、販売元のカラーワークスでは既に廃番になっているのはやはり長期耐久性に問題があったのだろうか。尤も、自分の場合は併用が推奨されていた下地塗料(プライマー)を省略していきなり構造用合板に直塗りしたことも少なからず災いしている面も間違いなくあるだろう。ズル剥けのような事になっているわけではないが、気が付けば壁際に埃のようにちらほらと落下した漆喰塗料の欠片が目につくようになってきた。あと何年かしたら残り4割の壁と同じように鏝仕上げでやり直すか、それともこのような異素材壁紙でも試みるか。

やっぱり鏝がいいかなあ、我が家の残り4割を占める鏝仕上げの内壁も既に施工から5年や6年は経っているが、その間に発生した結構な強度の地震にもヒビ一つはいることなく、やはりローラーでお手軽に塗ったのとでは丈夫さが段違い。苦労しただけのことはあったということだ・・・とはいえ、いわゆる文化財に指定されている家とは重厚さがまるで違う。鏝で塗る漆喰の表層は同じでも、その下の壁材が構造用合板一枚で簡素に済ませたものであるか、竹芯を補強に用いて幾重にも塗り重ねられた土の壁であるか。やはり合板の壁は薄く軽い、この差は幾ら年月を経ても如何ともしがたい差異だろう。内壁だけでなく外壁も。現代のサイディングは機能としては優れてはいるものの、手間暇を惜しまず重厚に作られた古い家の壁には、重厚さにおいても古くなった際の風味の面でもやはり一歩も二歩も譲ってしまうのが実際のところ。

しかしそんなライトな現代の家でも文化財住宅に張り合うことが可能な箇所が一つだけある。それは無垢の床材。こればっかりは古い家も現代の家も変わらない。使い込めば込むほどいぶし銀の鈍い輝きを放つ無垢の床板は、文化財住宅も我が家も根本的に同じ作りのものなのだ。ということは、日々手をかけてやって何十年も使い込んだ床は少なくとも自分にとっては掛け替えのない宝物となろう。そう思うと猫の爪痕やら物を落とした凹みや傷なども含めて床を愛せる気持ちにならないだろうか。ということで今日も日課のフローリングワイパー(ドライ)がけをしてから晩御飯にしよう。