カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

第三期内壁工事(4)第一次工事(9/18-19)

赤色が今回施工箇所。東側の壁は階段脇を一階から二階まで貫通
工事開始

SWの始まりとなる9月17日から19日の三連休、9月18日の夕方より漆喰鏝塗りの開始。スペースの問題と生活の問題で移動した大物家具家電は早いところ元に戻したいという意向により、鏝塗りは北面の靴棚裏の壁面から開始。そのまま東側玄関ドアの上部から南側に回り、玄関の角まで塗り終わると洗濯機背面の壁へ。

スイス漆喰の施工は難易度Aクラス

漆喰塗りを紹介している動画を見ると、粘度の高い漆喰をスイスイと実に滑らかに(熱いトーストにバターを塗るように)塗り広げているのだが、糊を含まず代わりに骨材を含むスイス漆喰においては全くこの通りにはいかない。強度を高めるために大量に混ぜられた骨材は薄く塗り広げられることを拒み、鏝からはスベスベではなくゴリゴリとした感触が伝わってくる。恐らくはセメントのように厚塗りされることを前提とした素材であり、ぼってりと固く延ばしにくい漆喰を薄塗りし、かつ平滑に仕上げるのは相当に難しい。というか自分の腕では無理。8年前に施工したカラーワークスのHIP漆喰とはちょっと比べられないレベルの難しさ。この後何度か平滑仕上げを試みたが結果は惨敗であったことからも、鏝跡を消して平滑に仕上げようと色気を出さず初めからラフ仕上げを前提で塗るのがこの素材には合っている。

左官工事は赤い靴か

続いて東側の一番大きな壁を階段に沿って上に塗り進め、途切れなく続く内壁まで作業は中断することなく、いや中断できることなく進む。

一度始めたら原則として壁が終わるまで(コーナーに到達するまで)止めることが出来ないというのが左官工事の一番きついところ。漆喰は塗られた端から乾いていくので、作業を中断して再開した場合に消すことの出来ない継ぎ目が出来てしまう。これは非常に見苦しいので原則として「始めたら終わるまで終われない」。
持ち場を離れられるのは5分が目途、10分離れるとリカバリ(継ぎ目が残らないように塗りを再開すること)はかなり難しくなるし、更に長くなるようでは致命的。なので休憩は最長で5分。一休みしようとトイレに行こうと飲み物を飲もうと睡眠を取ろうと、とにかく5分以内に持ち場に戻って作業を再開するのが鉄則。どれだけ長引こうとどれだけ疲れようと壁が続く限り作業を止めることはできないし、途中で終わらざるを得ないならできる限り継ぎ目が目立たない中断ポイントを予め決めておくのが肝要となる。

東側の壁は階段脇を一階から二階はてはロフトまでつながる我が家最大の壁だが、さすがにロフトまで全部塗り切るには体力が持たないうえにタイムアウト、そして50㎏の漆喰もそこまでは持たない。第一次工事は二階上のロフト壁に少し入ったところで終了(外から見えないロフト内であれば継ぎ目は目立たない。計画通り)。

苦難の道のりは始まったばかり

標準より不器用な(器用偏差値40程度)自分×この範囲の壁面×スイス漆喰=作業時間およそ18時間。プロなら恐らくこの三分の一程度の時間で仕上げるだろうが、プロどころか人並の器用さも持ち合わせていない人間が自分でやろうとするなら人一倍の手間をかけるしかない。
ということで初めから長期戦となることは覚悟していたのだが、工事期間も削られる体力も予算もこの覚悟を遥かに超えたものになることになるとは、一次工事を漸く終えたばかりの徹夜明けのボケた頭で気づく由もなかった。