カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

第三期内壁工事(5)第二次工事(9/23-28)②

 

誤って取り寄せてしまった1.5㎜骨材ゴロゴロのごつい漆喰。
どうするかなー。勿論内壁に塗っていけないということはないが、0.5㎜骨材の漆喰とは風合いが異なるだろうし壁の真ん中でいきなりガラッと変わるのもなんだし。といっても今更返品もできないし、さりとて捨てるのもさすがに勿体ない。うむ困ったな。

・・・・。

よし分かった、君は我が家の天井になりたまえ

ということで壁塗りの予定を変更して天井の左官を行うことにする。天井といっても二階の天井は表しで、一階の天井全てを塗り切るほどの量でもないので一階は洗面脱衣の天井、二階はロフト下の天井部分がその対象。以前ローラー漆喰を塗った箇所にそのまま鏝塗りを行うことになる。

壁塗りでも悪戦苦闘している西洋漆喰のさらにごついのを天井に塗る、しかも天井への左官は初めてということでおっとり刀で動画をちょこちょこ見て予習。

 

Q:不器用なド素人が1.5㎜骨材のスイス漆喰でこの鏝さばきを真似たらどうなるでしょう。

A:天井に持っていく前に鏝から落ちます。そして身体に浴びます。

そしてこうなります

 

とろみも粘りも皆無、しかもザラメのような骨材がゴロゴロしている漆喰は鏝のつきがことさらに悪い。そしてやっとの思いで天井に塗りつけてもやはり塗り広げる前に落ちてしまう。そして身体に浴びる。Youtubeにアップされている動画のようにすいすい塗り進めるなど自分の腕では到底不可能で、職人は素人が真似できないテクニックを身に着けているから職人なのだなと改めて実感。

塗りつけては落ち塗りつけては落ち、その度に顔から胸から漆喰を浴びながらの作業は予想を上回る難航であったものの、試行錯誤の末に「これなら落ちない」天井鏝塗りのやり方に辿り着いた。

まずは鏝先に500円玉大だけ漆喰を取り、天井にちょいとくっつける。
それを何度も繰り返し、

これくらいまでちょいちょいを繰り返す

ちょいちょいとくっつけた漆喰がある程度溜まったところで鏝でガーっと塗り広げる。

 

 

この「ちょいちょいのガーっ」方式に切り替えてからは漆喰を顔から浴びることもほぼなくなり、以降は大変スムーズに作業が進む。大変スムーズとはいっても素早く作業できるという意味ではなく、当然のことながら作業効率は悪いこと甚だしい。
一畳分の天井を塗るのに要する時間はおよそ3時間、慣れても2時間半を切ることはない。あまりにも長い時間ずっと首を上に向けているのでしまいには捻挫のような痛みが頸椎に走り、さらに鏝を握りしめる右手指と鏝板を握りしめる左手指も関節炎のように痛くなる中での長時間に渡る作業は(改めて言うまでもないが)大変にしんどいもので、今更言うことでもないがあんまり素人が手を出すもんじゃないなあと。笑

25㎏の1.5㎜骨材漆喰で天井をすべて塗り切るには至らず、最後の一ブロックは0.5㎜骨材の漆喰で続きを塗り切ったが、とまれ懸案の天井左官は無事終了。骨材ゴロゴロ漆喰を塗りつけた天井は大変にごつく野趣あふれる仕上がりとなったが、丈夫が取柄なら今後割れてくることもないだろうしまあこれはこれでいいや笑。

所要時間は18時間+7時間+3時間=延べ28時間。
痛めた身体も休養を取れば回復する。人体って素晴らしい。

 

これだけ養生しても汚れを防ぎきれないのだから恐ろしい