カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

二回目の玄関タイル選び

家づくりのイメージを固める方法は人それぞれだろうが、自分の場合はとにかく情報を仕入れて目を肥やすのに努める。そうするうちにやがてイメージがだんだん鮮明にはっきりとしてくる。時間はかかるが、自分の場合は当初描いていたイメージが心の底から引き上げてみると実は全然違う形だったということも珍しくないのでこのプロセスは欠かせない。
回り道せずに一発でイメージを固められればそれに越したことはないが、その才に恵まれていないことは分かっているので、ひたすらうだうだとああでもないこうでもないと時間を積み重ねる。

居候が壊した玄関に再度貼り重ねるタイルについてもそう。タイルの品揃えでは国内で右に出るもののないサンワカンパニー(またの名を施主支給の友)のウェブサイトで膨大なサンプルを延々と眺め、最後に実物を見てイメージを確定させる。
建築資材は出来るだけ実物を見た方がいい。表面の艶や質感、全体の「感じ」などはやはり実物を見るのが一番よく分かる。

今回の玄関のテーマは

ウェブサイトでイメージを練った結果、今回も木目調タイル*1、しかも床のウォルナットと同じような濃褐色タイルをセレクトでほぼ決まり。
床の色と近い色の木目調タイルを貼り込めば、床から一続きのように一体感が生まれて広く見えるのではないかというのがその理由。

最後に念のため実物を確認。前回の玄関タイル張り時に訪れて以来5年半ぶりに、青山から外苑前に移転したサンワカンパニーショールームを訪れる。
いかに広大なショールームとはいえ、扱っているタイル全てのサンプルを展示するのは不可能で展示はごく一部。ただ木目調タイルは売れ線のようで、自分が目をつけていたタイルはおよそ手に取ることが出来た。

 

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ワックスを塗られながら使い込まれた風の艶「パルケ」

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使い込まれてペンキが剥がれた床板をリアルに再現、ワイルドな風合いの「メルヴィン」

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「ヤングギャラリー」は鋸目までリアルに再現。文字通りギャラリーに合いそう

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「ラ・フォレスタ」ダッコとマロン。これは艶が少しタイルっぽい

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焼杉板の表面を再現した「ヤキシダ」は白とグレーと黒の三色

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本命「ヤングギャラリー」マロンは表面の艶感まで超リアル
 
結論

手にっては矯めつ眇めつ、閉店時間まで一時間以上かけて候補のタイルをつぶさに見た結果、木目調タイルはどうも心の底のイメージとは少し違うようだということが判明。タイル自体は非常によくできてはいるのだが、実物を手に取ってみたら何かは分からないが何かが違うと。こういう時は心の声に従うのが正しい。

 

本日の結果

ショールームで現物を確かめた結果、玄関タイル選びは振り出しに戻った。こんなことがあるからやっぱりセンスない人間は物を選ぶのに手間暇を惜しんじゃいけないのよ。
あー危ない危ない

*1:木目調タイル表面はプリントではあるが、欧州の名だたるメーカーで作られているものはその辺の安物と違って木目パターンが何十もあって出来るだけかぶらない様に配慮されている。また表面の艶も絶妙に抑えられており、クォリティは非常に高い。