カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

維持できないからという理由でフロイスが献上した置時計を返した信長の気持ちはよく分かる

ヲタの拘りとして前回のエントリに突っ込まれる前に補足しておくと、4m前後の全長で後輪駆動のMT車は他にもあるにはある。小さいスポーツカーに目がない身としては、その辺をほじくり返せばいろいろ出てくるのは知っている。

スポーツカーの本場たる英国にはゴードン・マレーのアトムにジネッタと最近はゼノス、オランダにはドンケルフォールト、ドイツにはイエス!、はたまた日英合作のVEMACなんて変わり種もある。どれも素晴らしく魅力的なスポーツカーには違いないが、価格や信頼性の問題をさて置いたとしてもやはり購入候補に挙がることはない。
なぜか。余りにもマイナーで国内に取扱店がほぼ一つしかなく、それもいつ途絶えるか分からない。下手したらメーカー自体が消滅する可能性だって低くはないからだ*1。買って終わりの美術品ならともかく、メンテナンスや修理が欠かせない工業製品であれば、維持管理が心許ないものに大枚を叩く気にはなれない。

世の中に好事家(と書いて物好きと読む)と呼ばれる人種は多かれど自分はリアリスティックな好事家というべきもので、継続的な維持管理が困難なモノに後先考えず金を突っ込むことは決してないという、堅実といえば堅実で面白くないといえば面白くない、貧乏性といえば貧乏性な男。よくよく考えてみれば、そのような人間が独り身で建てる家がLWHの如きものとなるのは必然であったのかもしれない。

 

*1:実際に上記メーカーの中でもいつのまにか唯一の代理店で取扱いが終了していたものもあればメーカーが消滅してしまったものもある。そのような車は維持管理が困難を極め、ただでさえ低いリセールバリューも暴落するであろうことはいうまでもない。自己責任とは言え、購入者にはご愁傷様と言うほかはない