カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

第三期内壁工事(9)第七次工事(10/10)

自分が今どこで何をしているのか分からなくなる程の疲労に陥り、しかも満足のゆく結果を残せなかった前回の第六次工事が今回の一連の工事におけるしんどさのピーク。それ以降の工事の施工面積はぐっと小さくなり、それに伴って施工時間も身体への負担も大きく減少。身体的負担の減少は精神的負担の減少にもつながり、自分の腕の限界を嫌という程思い知らされたこともあって、以降の工事はいっそ清々しい思いで進めることが出来た次第。

SWの締めくくりとなった最後の三連休の三日目は二階南側ベッドスペースの残りの壁と東側のクローゼット裏の壁、一階はキッチンに張られたタイルを挟む上下の壁と階段下の壁部分の施工を行う。

クローゼットの衣服で隠れている壁の施工を行う前に、掛かっている衣類ハンガーをすべて外して部屋の中央に広げた養生ビニールの上に積み上げ、隅に寄せられたキャビネットをずらす。もはや二階は足の踏み場もない有様でうんざりするが(喜んでいるのは同居の居候だけ)、それでも完全に作業場の外に出すことが出来たのはまだましな方で、クローゼットの奥に立てたBISLEYのキャビネット(我が家に移り住む際に持ち込んだ家具の一つ)などどこにも置くスペースがないため、壁を露出させ鏝塗りを行うためほんの30cmほどずらすにとどめざるを得ない。今回の工事で幾度となく直面した「住みながら工事」の難しい所だ。

我が家の最深部となるこの壁もまず人目に付くことがない(自分すら見ることはない)箇所であり、したがって見てくれは気にせずざっくざっくと鏝を振るう。

 

一気呵成に終了

続いて一階へ。入居直後に行ったキッチンシンクに面した壁のタイル貼りは全面ではなく中央部分のみがその対象であり、したがってタイルの上下部分にはローラー漆喰を施工して終わらせている。この箇所に改めて鏝塗りを施工。
ここでは作業そのものより漆喰がステンレスシンクに垂れないよう神経を使う。強アルカリの漆喰はステンレスを容易に変色させてしまうからだ。住みながらの施工では完璧な養生は難しく、そしてこれまでの工事では不思議なことに、どんなに僅かな養生の隙間であっても狙いすましたかのように飛び込んだ漆喰が木の床に不可逆的なダメージ(白く脱色させる)を与えてしまう事態が何度となく発生している。
幸いシンクに被害が及ぶことはなく、施工後に養生を外して一安心。

こちらは一階内壁の上部

シンク下の壁。養生を外す際に著しく汚れるのが漆喰工事の難点

 

シンク下の壁はそのまま冷蔵庫裏の壁に続いているが、冷蔵庫を動かすのはとても難しいため、ここでも肉離れを起こしそうな体勢で何とか最後まで塗り切る。「住みながらの工事」ってのは本当に難しい。

 

Q.冷蔵庫裏の幅15cmしかない隙間で漆喰を鏝塗りするにはどうすればいいでしょう。漆喰を乗せた鏝を回転させるスペースもなく、最初から鏝を立てて差し込もうにも粘り気のないスイス漆喰は容易に鏝から滑り落ちてしまうものとします。

A. 漆喰を手づかみで壁に塗り付け、然る後に鏝で均します

 

正解。

 

今回の施工時間はおよそ9時間、下塗り含め12時間とぐっとスピードアップを果たした。