カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

小さな家のライトアップ

平成最後の夏、シンボルツリーのアオダモをライトアップ。
馬子にも衣裳。

 

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家づくりの段階からこれを考えていれば目立たないよう地中からケーブルを回せたのだが、後付けとなるとどうしてもポーチのコンセントから電源を引かざるを得ない。そのケーブル取り回しの始末はまた別のエントリで。

あ、楽天とかで良く目にとまる「電源不要のソーラー発電ライト」とかは全く光量不足でライトアップにはとても使えない。金と時間の無駄なのでやめときましょう(と、自腹で勉強代を払った人間のコメント)。

 

赤鬼君はタダで村人にお茶やお菓子を振舞おうとした。だから村人は誰一人赤鬼君の家に近づかなかった

先日のエントリに関連するテーマのつぶやきが丁度タイムリーに上がっていたので一つ。
タダで何かを受け取ることに人は意外にも抵抗感を持つという典型的な例

 

togetter.com

もちろんこれが全般的に当てはまるわけではなくて、彼我に信頼関係があればこの限りでないことは言うまでもない。赤の他人にご馳走されるのは気持ち悪いと感じる人も彼氏や友人からの振舞いなら喜んで受け取るだろう。

ということで冒頭の赤鬼君も「おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます」に続き「お代は五文でございます」と立て札に書き添えるだけでよかった。脳筋な青鬼君の提案はあまりに高コスト、且つ高リスクで勧められない。笑

冷蔵庫を新調

13年間故障一つなく働き続けたナショナル(パナソニックではない)の冷蔵庫を買い替え。

水漏れなど困ったトラブルは一度として起こっていないものの長年の使用でドアがやや下がってきたこと、自炊の頻度が高まるにつれさすがに小さ過ぎる不便さ’を感じることが増えてきたことなどの理由で、以前から買い替えは検討していた。だが東京オリンピックの記念に買い替える予定を二年繰り上げて急遽購入に至ったのは、次期購入を決めていた機種がいつの間にか生産中止になり、販売店の在庫もノジマ電機にわずかに残るのみとなっているのを偶然知ったため。残り僅かな在庫を慌てて取り寄せた次第。

 

最新機種でなく生産中止の機種を、しかもわざわざ中国メーカーのアクアを探してまで購入した理由は、それが(恐らく)世界で唯一ステンレス扉を採用した小型冷蔵庫であるからに他ならない。我が家のステンレスフレームシンクと並べて置いて最も絵になるのがステンレス扉の冷蔵庫なのでここはこだわる。
国内外のメーカーでステンレス扉を採用した冷蔵庫はラインナップしているものの、ほぼ全てが我が家のキッチンにはとても入らない巨大サイズ。唯一の例外がこれで、我が家のステンレスシンクと並べて置くことが出来る小型冷蔵庫(且つそれまで使っていたナショナルの138Lを上回るサイズ)で外装にステンレスを採用したモデルは世界広しといえどこのアクアの180Lサイズ以外にはない。ハイアールの家電は正直余りいい評判を聞かないのだが、アクアというブランドはハイアールに吸収されたかつてのサンヨーであることも購入を後押し。さらに大幅に割り引かれた在庫処分価格であればいうことはない。
ということで、納得のいく買い物はエンターテイメントであることを久々に実感した平成最後の夏。

 

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そして新しい冷蔵庫の前で早速くつろぐ居候

 

 

 

形のないものにこそコストを惜しんではいけない話

S氏が最近試みている「お茶会」に参加された方の感想で「有料だから安心して参加できた。無料なら何か売りつけられると思って警戒した」という趣旨のものがあった。
なかなか健全な価値観をお持ちの方が参加したものだと感心する。

タダほど高いものはないという言葉があるが、「安ければ安いほどいい、無料なら最高」という短絡的な評価が当て嵌まるのは既に完成して品質の定まった形あるもの(新築の建売住宅とか新車とかレトルトのカレーとか)のみであって、対価によって姿を変える形のないサービスや情報においては全く当たっていない。
「無料相談会」で得られるアドバイスなどに何ら価値はなく、単にそれに続くセールスへの撒き餌に過ぎない場合が常。それでも参加者は文句を言える立場ではない。なぜなら「タダだから」。対価を払わない者に文句を言う資格はない。*1

 

例えばS氏が無料で相談会を開催したとしよう。無料だから行ってみるか、ということで参加者は増えるかもしれない。しかし元々家作りについて考えていたわけでもない、無料だからという理由で暇つぶし半分で参加しただけの参加者がS氏の顧客となる可能性は相当に低い。しかしS氏はそんな冷やかし参加者にも本気の参加者と同程度のエネルギーを割いて応対しなくてはならず、本気の参加者に向けるべきエネルギーは(質量保存の法則通り)相対的に減少する。したがって「本気の参加者」がS氏の顧客となる確率も相応に低下する。結果として典型的な虻蜂取らずとなったS氏はあまり報われない。

あるいは、S氏が本当に無料で相談に乗りあれこれ提案してくれる相当に奇特な人であったとしよう。そこでいかに「いい情報を手に入れた」と思ってもそれを鵜呑みにして家作りに生かすことが出来るだろうか。自分なら出来ない。なぜならタダ働きには何の責任も発生しないからだ。タダで手に入れた情報が適当であろうと嘘八百であろうと何も文句はいえない。結局は自分でコストをかけ、手間隙かけて裏取りをしその真偽を確認しなくてはいけない。結果としてそれが正しかったとしても、それは最早タダで手に入れた情報ではない。 

我が家を建てた時に資金繰りがどんなに厳しくても設計監督費用の値切りだけは禁じ手にしていたのは何も自分の人格が高潔だったからではない。安く買い叩いた仕事に手を抜かれ(しかも叩いたのが自分である以上それに文句を言う権利もない)、一生に一度建てる家が安かろう悪かろうなものになることを恐れたからだ。

 

ということでS氏の始めた一見怪しげな「お茶会」、有料である以上は逆に健全であると考えて安心して参加していいだろう。これが無料でどうぞー何ならお茶も奢りますよーなどと言いはじめたら眉を唾でベチョベチョにしてかかるべし。笑 

 

 

*1:何かの記念品無料配布情報を聞きつけて開店前の店先に長蛇の列を作り、配布品が足りなくなり手に入れられなかったりすると逆上して責任を取れと店に詰め寄る輩、それに対し平謝りの店という構図を目にすることがたまにあるが、いかにも日本らしい光景だと思う。タダであげようとあげまいと幾つ配ろうとそれは完全に店の勝手であり、その行為に何ら責任を求められる筋合いはない。

2018年掃除スタイルの変化

新たな居候が来てから変ったことは数多あるが、一番変わったところといえばまず掃除。

これまでの床掃除は毎週一回、箒で掃いた後に入念に水拭きで雑巾がけ。これで一週間はある程度綺麗さをキープできたのだが、半端でなく毛が抜ける居候との同居においては床の汚れるスピードも尋常ではなく、どんなに入念に掃除したところで一週間はとても持たない。バリカンで刈るように毛が抜ける最強ブラシとの呼び声高いファーミネーターによるブラッシングを欠かさなくとも、数日も経てば部屋の床にはタンブルウィードのように毛玉球が転がってしまう有様。

 

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参考画像:タンブルウィード

以前の居候も抜け毛はそれなりに多かったものだが、今の居候は体重にして三倍。体の大きさ=体表面積の広さ=毛の多さからして比べ物にならない。

 

ということで現在の床掃除は「しっかり週一回」から「ライトに毎日」に方針転換。とはいえ毎日雑巾がけはさすがに負担が重すぎる。それに今の居候が来てから気づいたことだが、水拭きでは細かな毛は取れないない。逆に床に張り付いてしまうのだ。

それではいよいよ満を持してダイソンのスティッククリーナーを…買わない。小さな家にはあれですら邪魔、場所を取りすぎる。代わりにダイソンのクリーナーより格段に安く小さく、場所を取らず目立たないドライシートによる乾拭きを導入。

ドライシートはアマゾンオリジナルのこちら。細かな毛がよくとれ、染み込んでいるパラフィンでワックスがけのような効果も見込める。何よりコスパが最強。

 

そしてワイパーはこちら。以前は連結式の柄を用いたクイックルワイパーを使用していたが、連結部のストッパーがすぐに外れて非常に使い勝手が悪い。掃除スタイルの変換にあわせ、よりしっかりしたつくりの山崎工業のコンドルブランドのワイパーに変更。コンドルの掃除道具では窓掃除に使用するスクレーパーを長く使用しているが、ここの掃除道具はつくりがしっかりしていてハズレがない。

 この組み合わせで毎晩20分程度、満遍なく床を撫でるだけのライトな掃除。ライトとはいえ、毎日行えば家の床は常にそこそこ綺麗な状態にキープされる。小さな家って素晴らしい。

この方針転換のあおりを食って、それまでレギュラーだった棕櫚帚と雑巾モップは控えにまわることに。雑巾がけはたまにやるとしても、箒の出番は本当になくなってしまった。結構高かったので勿体ないけど断捨離か…誰か貰ってくれないものか。

 

Paint it Black 2018その1

はてなから「前回エントリから一か月投稿がないけど、大丈夫?」という自動メールが届いたことで随分ご無沙汰であったことに気が付く。

まあ自分を含む統括部の八割がたの社員が過労死基準を軽く超える長時間労働がかれこれ三か月続いているブラックな職場環境*1ではブログどころではなかったのは事実。さささっと十分程度で書ければいいのだが、要領が悪く筆が遅い自分は新しく記事を書くのに一時間以上かけてしまうのはザラ。深夜帰宅して居候の遊びにつきあって掃除して居候の餌を準備して自分の餌を準備して入浴して三四時間程度寝てまた出勤するというサバイバルライフの中でブログ更新なんて付け入る余地が殆どなかったというのが本当のところ。

まあそんな話はともかく、書こう書こうと思い書く暇がなかった、この春の家づくりの小ネタを一つ。

これまで我が家では我が家のカラーにそぐわない小物をちまちまと外壁のチャコールグレーに合わせた黒あるいはチャコールグレーに塗り替えてきた。名付けて小さな家のPaint it Blackシリーズ。略してPIB(どうでもいい)

 


こうして見るとちまちまちまちまと我ながらよくやる。ていうか足袋まで黒くしてんのかよ笑

 

そしてPIBはまだ終わらない。
今回の対象は、春に我が家に取り付けた防犯カメラ。

の、外壁に不格好に取り付けられたケーブルボックスにケーブル保護ホース。

今回黒く(チャコグレく)塗るのはこれだ。

 

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 ああ、みっともない。
見れば見るほど不格好な形に不格好なアイボリー色。

ドアを開ける度に否応なく目に入り、その度に大金を叩いてわざわざ家を不格好にせざるを得なかったこの街の治安の悪さに腹が立つ。まあカッコは仕方ないので、せめて色だけでもこの家に馴染ませたい。馴染ませなくてはならない。

という訳で、ウッドデッキの柵に塗ったアイアン塗料シュッペンパンツァーの残りの缶の蓋を開ける。GWの初日にプライマー、二日目と三日目に二度塗り。

 

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 三日を掛けて塗った結果。これで少しはマシになった。ぱっと見では目に入らない程度には我が家のガルバ外壁によく馴染んでいる。

今年のPIBはもう一つ。それはまた後程

 

 

 

*1:会社はアリバイ作りのつもりか産業医の面談だけは全員にセットしたものの事実上の黙認。統括部長が「ここは不夜城です」とニコニコしながら朝礼で言い放てば休日出勤しない主義を貫く自分は同僚から嫌味を言われるなど、環境がどうかしていれば社員もどうかしている。そろそろ誰か死ぬだろうと思って見ているのだが、人間意外と死なないもんですね苦笑

しぼるひかりをあてる

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ひかりをあててしぼるっていう映画はいまいち面白くなかった。実際に起こった猟奇的な殺人事件をベースにした映画となれば犯人の告白に基づいてその異常心理が丹念になぞられていくのかと思いきや、展開されるのはありがちな男女の愛憎劇。結婚生活の期待と現実のギャップやDV、そこからの共依存などは別に珍しいことでもなく、それをもってあのラストシーンに至るのはやや唐突感が否めない。実際の事件では被害者のDVを受けても逃げるに逃げられない犯人の心の葛藤があったのだが、その辺の人物像の掘り下げが不十分なので、事情を知らず見ている側はなぜDVが始まった時に主人公が逃げ出さなかったのか理解できない。主人公に今一つ感情移入することができないせいで、見ている側もなかなか映画の世界に入り込めない。

誰しも経験のある「やらかした時の焦燥感」。睾丸がきゅっと引き上げられるような*1あの焦り、衝動的に殺してしまってからその何十倍もの焦燥感に追い立てられて正気を失っていく主人公の心理を、自宅付近でブラックホールのように口を開いた夜の代々木公園の闇*2を象徴的に差し挟みながら展開していった方が良かったのではないか。

結論からいえばこの映画でも恐怖は味わえなかった。ということで「ひかりをあててしぼる」は面白くなかったが、「しぼるひかりをあてる」はとても面白いという話。


この春に一階DKのスポットライトを交換。

新しいスポットライトはE17バルブ専用で、これまでのスポットより細く小さい、形状は何の変哲もない筒状のシンプルな白いフード。

それまで使用していたスポットライトはごく普通のE26LED電球との組み合わせで、あまり光を絞り込まずほぼ満遍なく部屋を照らしていたのに対し、新しいスポットライトは径の小さいフードと照射範囲15度のLEDスポット電球との組み合わせを以て、文字通りのスポットライトとしてごく狭い範囲を強く照らすようにした。 

 

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下から見た図。左右に大きく角度をつけられているのがよく分かる

 60W相当の6.5WLEDハロゲン電球で強い光を当てる先はDKの両端。

一方の光は玄関近く、古いキャビネットの上に鎮座するロシア生まれの猫を照らし、 

 

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インペリアルポーセリン本店で捕獲。アクリルケースで居候のいたずらから保護

 もう一方は部屋の奥に位置する居候の食卓を照らす。

 

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そして真ん中の三つ目、4WのLEDハロゲンは真ん中のテーブルを照らす。

 ごく狭い範囲を強く照らし、離れたところは暗いまま。空間全体の照度は落ち、明るいところと暗いところのムラが強く出るようになったが、それが意外にいい。光に強弱をつけることで空間に奥行ができ緊張感が生まれ、小さなDKがなんだか広く見えるようになったのは意外な発見。

夜はすごく魅力的に見えた街でも昼の光の下では何ということのない平凡な眺めで幻滅した覚えは誰しもあると思うが、逆に言えば光の当て方ひとつで平凡な空間でもドラマチックに演出することが出来るということ。

照明は面白く、奥が深い。よく分からなくてもとりあえず「間接照明とスポットライト」を適当に組み合わせれば何となくお洒落に見えるから、手っ取り早く部屋の印象を変えるには一番お手軽な手だったりする。

*1:男の子なら分かります

*2:犯人は後に「真っ黒な夜の代々木公園が何とも不気味に見えた」と供述している