北の大三角形の旅(12)2020年3月6日 Faroe Islands 2(小さな島の小さな首都)
歴訪31か国(および地域)目はフェロー諸島
フェロー諸島は英国とアイスランドの中間程の海に浮かぶ、沖縄と同程度の広さの小さな島。デンマーク領ではあるが、自らの首都を持ち政府と首相を戴き国旗を掲げ独自通貨が流通する自治領でありほぼ国と同等*1。
およそ5万人弱の人口は2000名程度のロングイェールビーンに比べれば桁違いに多いものの、一国に値する地域としては本当にささやかなもので*2、国・自治領としては世界最小の部類に属する。北の大三角形の旅程で最後に訪れたこの小さな島での二日間はツアーにも参加せず首都トーシャウンをただぶらぶらするだけで旅の疲れを癒すのに徹し、それでも独自文化を持つ箱庭のように美しい街並みと穏やかな気候のもとで十分楽しく過ごすことが出来た。雪と氷と厳しい寒さに閉ざされた冬のロングイェールビーンにはない緩さがとてもいい。空港で気が付いたがパリから直行便も出ていて、英仏にとっては身近なバカンス先でもあるのだろう
首都トーシャウン散歩
宿に到着し荷を解くとぶらぶら歩きに出る。細かな路地が入り組んでいるが行き止まりがなく、どんな細い道でも必ずどこかに通じているのに感心。この島独自の文化である芝生屋根をいただいた可愛らしい家がそこかしこに見えるのも目に楽しい
路地裏はどこか日本のそれを連想させる。こじんまりとした木造の家はそれぞれ個性的な玄関ドアを持っていて、それを眺めながら散歩するだけでも楽しい
野鳥天国でもあるこの島の観光シーズンである春夏には船に乗ってパフィンの群れを見に行くツアーなどあるのだが、閑散とした冬の風景もまた味わい深い。前にも書いたが、日本から遠く離れた異国なのに路地裏はどこか昭和の日本の街並みを想起させる懐かしい趣があるのが不思議。