カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

北の大三角形の旅(17)2020年3月8日 初めての南周りの帰路でイスタンブール空港のホスピタリティの低さに憤慨する(了)

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トーシャウンでの最後の朝、TVを付けるとCOVID19の特集番組が流れている。

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「正しく恐れよう」なんて言っていたこの日から二週間もしないうちにドミノ倒しのように欧州全域でロックダウンに踏み切っていったのだから、今にして思えば感染爆発の凄まじさが伺える。というか自分も旅の日程が10日ほど後にずれ込んでいたら帰国には相当難儀した筈であり、長閑な旅程に見えて実は結構きわどい旅でもあったのだ

 

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さらばトーシャウンまた来る日まで

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再び空港へ

vimeo.com

海底トンネルを抜けて空港のあるヴォーアル島まで。
昨日とは違い今日はちゃんと営業している空港。それはそうだ

 

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さてフェロー諸島からどうやって帰国するかと言えば、当然成田までの直行便などないので乗り換え乗り継ぎ、しかも二回。

 

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まずは11時発のSASコペンハーゲンまで2時間、
コペンハーゲンで4時間待ってトルコ航空に乗り換えイスタンブールまで3時間、
イスタンブールで3時間待って再びトルコ航空便で成田まで12時間。
合計24時間。

今見返してもげんなりする帰路。これまで欧州からの帰りには全てシベリア上空を通過の北回り航路*1を選択していたのだが、初めての南回り航路がこれほど長いものとは。なぜ今回北回りを選択しないのか?どこまでも乗り合わせが悪い今回の旅、北回り路線を選ぶなら翌日のフライトまで待たなくてはいけないのであった。

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コペンハーゲン行きのSAS便

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随分前からEU基準で屋内は全面禁煙化されているが、ハブ空港であるコペンハーゲン空港は喫煙ベランダを設けることで建物から出られないトランジット客に対応

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さすがレゴの本家本元デンマーク

サンドイッチとコーラで1500円は下らないコペンハーゲン空港ではUSB給電カウンタに張り付き、Wifiに繋いだスマホをいじりながらただひたすら時が経過するのを待つ。飛行機に乗りさえすれば機内食が出る…

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待ちかねたトルコエアーの機内食

離陸早々に供された機内食を平らげて人心地つき、改めて席の周囲を見渡すと異様にシートがガラガラなのに気が付く。ロックダウン前夜の不気味な静けさ

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乗客率30%くらい

最後の乗り換えの地イスタンブール空港に着いた。もちろん降り立つのも初めてだが、アジア最大のハブ空港を狙っているという評判通り建物は新しくとにかく大きい。動く歩道を使っても歩き疲れるほど広いのだが、タイトルにした通りホスピタリティが低いので全く気に入らないし、出来ればもう使いたくない。

気に入らない点その一、まずこれだけ巨大な空港なのに休憩できるソファなどのスペースが殆どない。

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よく見ればテーブルは多いが椅子はほとんどない

疲れた利用客が休憩したくとも腰を下ろせる場所はほとんどなく、休憩したければ(アジアのくせに欧州水準のバカ高い値段のついた)飲食テナントに入らざるを得ないのだ。なので無駄にだだっ広いだけの空港という印象しか抱けない。まずここが強烈に気に入らない点の一つ、

その二としてはWiFiが有料であること。厳密には30分だけ無料。

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まずこの青いポストのようなコード発行機にエアーチケット番号を入力する

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すると30分だけ有効なパスコードが表示される

Wifiの使い方についての案内も看板もないので事情を知らない人にはまずこの仕組みが分からないし、30分以上使用するならば再びこの機械で30分800円だか1000円だかのバカ高いお金を払って再びコードを発行してもらわなければならない。
これまで何十という空港を利用してきたが、Wifi有料などというケチ臭い空港はここが初めて。トルコに対する印象まで悪くなってしまうから、最大のハブ空港を目指すというならもう少し考えた方がいいと思う。

という具合で最後に少し味噌がついたが今回の旅は本来の行先であった中央アジアの代打として慌てて計画した旅にしては満足度が非常に高く(そもそもハズレ旅というのはないのだが)、特にフェロー諸島は是非もう一度訪れたいお気に入りの場所となった。帰国から一月もしないうちに日本でも緊急事態宣言が発令され今に至るまで海外への旅など覚束ない日々が続いているが、またいつの日か。

 

 

*1:北回りで安いのは直行便でなくモスクワ乗り換え便、それでもモスクワまでは欧州各国から2時間から3時間、モスクワから成田は10時間なので南回りより半日は早い