カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

第三期内壁工事(0)契機

入居直前に二度の週末=4日間を費やして家中の壁に塗布した30㎏の「ローラーで塗れる漆喰」だが、10年を超えたあたりから何となく白さのくすみが気になるようになり、また気が付けば床にぽろぽろ落ちている白い剥落片を目にする機会が増えてくるようになった。下地の強化ボードまで剥がれることはさすがにないのだが、厚ぼったく塗り重ねた部分が崩れてこぼれている。素材の硬化力が時間の経過とともに限界を迎えているのだろう。

一方で8年前に一階および二階の北側の壁一面に左官で塗った漆喰は色艶ともに全く劣化は見られず、数度の地震を経ても剥落・ひび割れはもちろん色のくすみも皆無。12年と8年という経過時間の差を考慮しても、やはり「ローラー漆喰」と「漆喰」は似て非なる別物なのだ。消石灰が3割入っていれば漆喰を名乗れる*1ので「ローラーで塗れる漆喰」も分類上は漆喰ということになるのだろうが、両方を体験した身として言えばあれはやはり漆喰ではなく「漆喰風の塗料」と呼ぶのが正解だろう。

ということでいつかは壁面全体に本物の漆喰を・・という思いを心の片隅にしまいつつ何年間か過ごしてきたのだが、ふと9月のカレンダーを見ると三連休が二週連続で発生している。
あ、ここだ、と。この連休を使って宿願の全面漆喰左官塗りを実現してしまおうと思い立ったのが8月。

DIYにはタイミングというものがあって、「環境」「気力」「体力」のどれが欠けても中々着工にまでは至らない。施工するのに十分な時間、漆喰左官を手掛ける気力、それに十分な体力体調の三つの高波が綺麗に揃ったのであれば素直に乗っておくのが宜しかろう。次の高波はいつ揃うか分からない。

*1:そば粉三割入っていれば「蕎麦」と称せられるのとよく似ている