カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

第三期内壁工事(7)第四次工事(10/1-10/2)


休息を取ると午後からはロフト壁と内壁の鏝塗りを開始する。ロフトの高さは1m程度しかないので面積としてはそれほど大きくないが、収納されている荷物を脇に寄せた(下ろすスペースは部屋にもない)まま、肩幅程度しかない空間で四つ這いになりつつ鏝を振るう体勢の厳しさはまた格別。わき腹が攣りそうな体勢で鏝板に盛った漆喰を何とか塗り終える(丁寧に均す余裕はとてもない)と鏝板と鏝を持って梯子を下り、玄関外に置いた漆喰を少量鏝板に盛ってからまた梯子を上るというルートも地味に時間と体力を削る。
誰に見せる訳でもないロフト壁、さらに多くは荷物で隠れ自分ですら目にすることのない壁をここまで苦労しながら塗る意味はあるのかと自問せざるを得ないところだが、それを誤魔化せばこの家に住む限り自分の胸に消せないしこりが残り続けるであろうことが分かっているのでやるしかない(我ながら難儀な性分だと思う)。

最後は一階南側の洗面トイレの壁の施工。思うところあってこの壁には色を付けることとしたためスイス漆喰ではなく、フランス産というカラー漆喰を選択。5㎏ドラムでちょうど施工予定の壁を二度塗り出来る計算。

 

このカラー漆喰は練り済みではなく粉末に水を加えて練って使うオーソドクスなタイプ。
商品名からしDIYガチ勢ではないライトDIYユーザをターゲットに想定していると思われるのにイージーな練り済みタイプでないのはアンバランスな気がするが、とまれ用法通りにまずおよそ半分の2.5㎏を空になった漆喰容器に取り分けると、ほぼ同量の水を加えながら攪拌を開始。

カラータイプt

撹拌機が回転すると、水と馴染むまでの間しばらくはもうもうと粉塵が上がる。調合された顔料に毒性でもあるのか、本能的にヤバいと直感する種の粉塵で慌ててマスクを装着して作業を続行。攪拌が進むうちに粉塵も収まり、綺麗に練り上げられたカラー漆喰が出来上がる。

 

スイス漆喰とは対照的にごつい骨材など皆無でスムージーのように滑らかなカラー漆喰の左官はスイスイと噓のようにスムーズで、表面を平滑に整えた薄塗りも実に容易。ゴリゴリのスイス漆喰に悪戦苦闘している自分にとってはまるでご褒美のようなもので、これまでの施工でどうしても綺麗に仕上がらないのは自分の腕がへっぽこなだけの理由ではないと少し気を持ち直すこともできた大変楽しい作業であった・・のだが、取り分けの配分を間違えたのか二度塗り目を終えないうちに漆喰が尽きてしまう。仕方がないから日を改めて再チャレンジとしよう・・今回の施工は(下地塗り作業を除き)16時間。

なお、この漆喰が練り済みで販売されない理由は後日判明。普通の漆喰は水を加えて練った後も空気に触れさせないようラップでも張って密閉容器で保存すれば一週間程度は持つものだが、このカラー漆喰は空気に触れさせなくても時間の経過とともに勝手に硬化が進み、一日もあればカッチカチに固まってしまう。それは練り済みタイプでは売れないよね。何でだろうこれも顔料のせいかしら