カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

越南縦断(5)3月3日 フエ3(フエ王宮)

それからフエ最古1601年創建のティエンムー寺院、ランドマークの七重塔は立ち入り不可で伽藍の周囲をぐるっと回って終了。

境内には巨大な鉢植えが

この回廊もなかなか好み

日本と異なりレンガ積みの七重塔

 

寺院は緑豊かでそこら中に巨大な鉢植えの植栽が置いてあるのだが、その配置の仕方がいかにも大味というか大らかと言うかで日本のような計算を感じないのが南国らしい

契約したバイクタクシーツアーはこれで終わり。思いのほか短かった(それは安い筈だ)半日ツアーを終えても太陽はまだまだ空に高い。特に予定もないので翌日の予定を繰り上げこの日の午後をフエ王宮に充てることとして最後にフエ王宮まで送ってもらって下車。

 

六畳ほどはあろうかという巨大な国旗が翻る王宮の外門前広場から内門をくぐるまで優に5分以上は歩く。思った以上の巨大な規模に圧倒される。もしかして皇居より大きいのではないか、と思ってその場で調べたら本当に皇居より大きかった。

堀の外、皇居前広場に匹敵する正門前の広場には何かイベントでもあるのか色鮮やかなアオザイを身に纏った婦人の集団が目に入る(伏線)

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皇居前広場の如き広さ

王宮の全体。殆どは戦火で失われ現存するのは僅かだがそれにしても回り切れない

紫禁城を彷彿させるこの巨大な王宮がベトナム戦争において戦闘の前線となったのは映画でも描写されていたが、一度はほぼ廃墟と化したであろう王宮はそれでもかなり修復された様子がうかがえる。それでも模型に表現されたかつての壮麗さとは比ぶべくもないが、しかしその荒れ加減が醸し出す寂寥感が主を失ったかつての王宮には似つかわしい。王宮内部に遺された遺構の数は往年の姿に比べれば極僅かではあるが、それでも歩いて見て回るのは相当に大変。広大な迷宮といったところ。

広大な城域の正門の近く右手にはグエン朝王族専用の劇場が、これは破壊を免れて現存している。王族が専用の劇場を誂えるのは万国共通の傾向らしい。その奥にはベトナム庭園が広がる。この辺で既に足が疲れている

 

 

 

芝居では面を被るらしい。能面より写実的

 

 

オフシーズンであることもあり観光客の姿はあまり見えない。閉門時間が近づくと広大な王宮はほぼ無人に近い状態となり広大な迷宮のよう。どこまでも続く誰もいない回廊の非現実感。人の気配のない遺跡はとてもいい

 

王族のティールーム

王族のティーセット



 

敢えて自分の現在位置を確かめないまま足の赴くまま右へ左へ歩き回り、位置感覚を失った非現実感を堪能する。タイムスリップ感。

 

 

 

本格的に人影が見えなくなったと思ったらいつの間にか閉門時間を経過していた。まあ外に出る分には構わないでしょと余裕で門に向かったら内側からもしっかりと施錠されてしまっている。係員らしき人も見えず、仕方ないので城壁沿いにてくてく2㎞ほど歩き、とっぷりと暮れかかった頃にようやく空いている門を発見。咎められるかと思ったが警備員らしき人は持ち場を離れてのおしゃべりに夢中でこちらを気にも留めない。

この手の施設では閉門に先立って中に残っている人をチェックし追い立てるのが普通なのだが、ここでは全くそのようなことはない。
うん、この緩さは嫌いじゃない。我が国も見習うべきだ笑

 

「出られません」