カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

家TubeとLWH÷2

Youtubeを見始めたのがいつ頃か記憶にないが、我が家を立てようと思い立った十数年前には家づくりにかかわるチャンネルはほぼほぼなかったのではないかと思う。
近年は住まいをテーマとしたチャンネルもかつてとは比べ物にならない程増えかつ多様化している。特に個性的な物件はやはり賃貸が中心となるが、この辺をローテーションしていれば見飽きることがない。

物件紹介チャンネルの紹介

物件紹介チャンネル界ではもはや老舗のゆっくり不動産。最近は海外物件の紹介に進出するなど競合の上を行く工夫がみられる。

 

更にとんがった賃貸物件に特化して登録者数急上昇中のあなたの理想不動産。どこから見つけてくるのだろうという個性的な物件の宝庫。


単身者向け物件に特化しているいつでも不動産は字幕のみで音声解説なし


名は体を表す、もうチャンネル名からしてそのものずばりのクセが強い不動産研究所

www.youtube.com

 

Youtuberの姿が一切登場しないこれまでのチャンネルと違い、顔出しこそないが内見女性が後ろ姿で登場するフッ軽不動産。勿論狙いは男性視聴者の獲得であるのに違いなく、これも差別化戦略の一つか。


さらに明確に独身若年層向けに特化し女性Youtuberを前面に押し出した構成のRoomPa狙ってんなあ


さらに二人の掛け合い形式で物件を紹介する内見ボーイズ


物件紹介チャンネルではないが、登録者数400万人超の超人気チャンネルであるLiving Big in A Tiny Houseは勿論外せない。住宅事情が厳しい都市部でやむにやまれず小さな家と言うわけでなく、幾らでも土地がある郊外でわざわざ小さな家を建てて暮らす住人のライフスタイルや人生哲学には考えさせられるところが多い。緑豊かな自然を背景にした映像はとても美しく、住む人まで美しく見える笑。日本の激狭アパートの紹介も。

 

 

自分が登録しているのはこの辺が中心だが、少し掘ってみれば金太郎飴のように似たようなチャンネルは幾つも見つけることができる。このエントリを描くにあたって見つけたのが同じテイストで関西の売買物件紹介に特化したリヴの仲介。それはこういう派生バージョンも出てくるよね

 

世の中に不動産物件など数えきれないほど存在するのであれば、不動産屋とのコネを確保しておけば当面ネタ切れになる心配もないだろう。

 

LWHを超えた!?タイニーハウス

と、そんな中で特に自分の目を惹いたのは延床7.5坪=25㎡とLWHを丁度半分にしたサイズの新築一戸建て紹介動画。大昔に建てられた極小戸建ては割と存在するのだが、わざわざ新築でこれほど小さな戸建て住宅を建てるのは相当に珍しいことに違いない。


どれだけ狭かろうと、居室の面積を削ってでも玄関や水回りのスペースをしっかり確保しているのが当世風。断熱性に優れた樹脂サッシを採用しているところも地味にポイント高し。
自分であれば玄関スペースはなくして洗面台はシンクで兼用、風呂はシャワーのみにするなどして居室の空間確保を最優先とするだろうが、それでもこのサイズの家に住むのであれば車かバイクどちらかの趣味を諦める位の覚悟は必要であろうし、荷物全てがみかん箱×3に納まるミニマリストが家主であるからこそ成立する住まいであるのには違いない。我が家も十分「住む人を選ぶ」家であるのには違いないが、それとは比較にならない程厳しく律することが求められる点でこの家での生活は修行と呼んでもいいかもしれない。

S氏に見せたところ、さすがのS氏もここまでして戸建てに拘るのかというリアクションであったが、ここまでして「自分だけの家」に拘る施主の気持ちも自分にはよく分かる。骨の髄からのミニマリストであれば不動産を所有しようとなどとは決して思わない筈で、ミニマリストといえど経済合理性のみで全てを割り切れない人間臭さも好ましく感じるのだ。