カサエゴ

Casa Egoista (定員一名の小さな家)

焙煎事始め

コーヒー豆の焙煎機はだいぶ前にプロの方からこれがいいよとご紹介いただいた製品があったものの、業務用の本格的なものでサイズもお値段もなかなかのものなのでなかなか踏ん切りがつかず購入に至らずにいたところ、もう少しお値段もサイズもお手軽な焙煎機の製品化クラウドファンディング*1を目にしたので先行割引価格にて購入。

www.lithon.co.jp

 

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一回で60gまで焙煎可能

vimeo.com

 

ファンでチャフを飛ばしながら高速回転しながら加熱すること20分で綺麗に煎り上がり。騒音はともかく、豆を煎るにおいが家中にこもって半日は抜けないので焙煎は玄関ポーチで。

 

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ミディアムロースト

スイッチを入れたら20分後の焙煎完了まで放置、チャフも綺麗に飛ばされるので確かにこれは使いやすい。
浅煎りモードがない(中煎りか深煎りのみ)ので酸味の強いコーヒーがお好みの方には向かないが、それ以外の忙しい人にはお勧め。深煎りすれば地獄のように苦いコーヒーが楽しめる。個人的には中煎りかな

*1:もともとは資金力のない個人や新興メーカーが製品化資金調達のために利用するためのクラウドファンディングだが、最近は資金に問題のない既存メーカーが新商品のマーケティングを兼ねて公募するケースが増えている。購入申し込みが集まれば初期ロット分は確実に捌くことが出来るし、反響が想定した数に届かなければ「売れない製品」と判断して生産を取りやめれば赤字を最小限に抑えることが出来るのでなかなか賢い手法だと思う

北の大三角形の旅(1)2020年2月29日 London

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「北の大三角」とかいって何でまずロンドンよ。
といえば、単純にレイキャビクへの直行便は日本から出ていないので必ずどこかで乗り継ぎが必要ということと、かつ当日内の到着便は自分が払える範囲の航空券では存在しなかったのでやむを得ずまずロンドンで一泊という次第。
初っ端からアクセスの悪さ全開の旅程だが、ただの移動に100万円も費やすわけにはいかないのでコストと利便性のバランスが重要。今回のフライトスケジュールとコストは「自分ツアコンできんじゃね?」という位なかなかのものだと自画自賛。お年寄りにはきついかもね

なお今回の旅はキャッシュレス化の恩恵にあずかり、エアチケットは一社を除き全てeチケット。席も選べるしカウンター行かなくていいしでいいことずくめ。

 

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フライトその1:成田からモスクワ

 

まずは10時間のフライトでおなじみのモスクワはシェレメチェボ空港まで。

貧乏旅慣れテーラー御用達のシェレメチェボ空港だが、アエロフロートもシェレメチェエボ空港もこの25年で別人のように様変わりしたのが感慨深い。初めてシェレメチェボに降りたのは冷戦終結の余韻が未だ漂う1994年だったか、この頃のシェレメチェボはとにかく薄暗くておどろおどろしくておそロシヤ全開だったものだ。

 

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1997年、これでもだいぶ垢ぬけてきた

 アエロフロートのツポレフも古くて椅子がガタガタしてて変な位置にエンジンついてて…というのも今は昔、今日のアエロフロートは機体もボーイングエアバスでサービスも普通に欧州各国のキャリアと変わりなく、シェレメチェボ空港も明るく清潔で快適なごく普通の空港である。

 

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またサービスが進化、機内スリッパはパッキングされて機内食メニュー表まで登場

 

自分としては成田に次ぐ利用回数のシェレメチェボ空港に降り立つと、ロンドン行き便発までの6時間を空港内で過ごす。あちこちうろついていると、ロビーの一角に変なものが出来ているのを発見。

 

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なんだこのおもちゃは。

近寄ってみると、どうやら時間貸しのカプセルホテルらしい

 

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1時間500ルーブル=約750円

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80年代のSF映画のセットのようなだっせえこのカプセルホテル、こんな騒々しいロビーの中で1時間750円払ってここで休みたい人がいるのかなあ。ベンチで休めばいいじゃん。まあ死ぬほど疲れていてとにかく横になりたい人なら需要あるかも

 

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ロンドン行きはターミナルDから

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自国語、英語、中国語。欧州各国大体こんな感じ

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フライトその2:モスクワからロンドン

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モスクワから4時間半でヒースロー空港に到着

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初めてのロンドンだが到着は夜遅く翌朝も早朝の出発なので、ホテル近辺をぶらぶら散歩してマックで夜食を食べた位で早々に就寝。特に感慨もなく、ただホテルの受付でHeathrawをヒートゥローと発音するのを聞いてああ英国だなと思ったくらい。

驚いたのはキャッシュレス経済の進化で、2年ほど前からロンドンバスは完全キャッシュレスで現金NGとのこと。また立ち寄ったマックも同様。この後訪れる各国でも完全キャッシュレスのファストフード店は実に多く、ガラパゴス日本をここでも痛感。なんでファーストフード事情に詳しくなってんだよという理由は後述するが、一言でいえば日本人がますます貧乏になったってこと。金持ち日本なんて遠い過去のまんが日本昔話

 

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ロンドンバスの停留所には

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現金お断りでオイスターカードかクレカのみという表示

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旅におすすめPEAK DESIGNアッセンブリー

旅と言えばカメラという人にお勧めしたいのが、5年前からカメラ回りで愛用しているPEAK DESIGNの製品。

www.peakdesign.com

 

このメーカーのカメラ回り製品のラインナップを見るとワンタッチで外せるカメラストラップメッセンジャーバッグスタイルのカメラバッグ、までは優秀だが他に類似製品がないでもない。
このユニットの真骨頂は組み合わせで発揮される。特に頑丈なクリップをバッグに組み合わせてバッグ外部にカメラを下げて使える機能は、行く先々で戦場カメラマンのごとくシャッターを押す撮影好きな人には便利なことこの上ない。

通常の旅先での撮影スタイルは常にカメラをストラップで首から下げておくか、撮影の都度バッグからごそごそとカメラを取り出してはしまうことを繰り返すのが常、前者はブラブラしてあちこちにぶつかるカメラが邪魔くさく誰がどう見ても一目で観光客(と書いてカモと読む)とわかる野暮ったさ、後者はとにかく面倒でその内撮影自体が面倒になってしまうのがそれぞれ難点。

ところがこのクリップをバッグに取り付ければ(このページでキーテザーと説明されている箇所に挟む)、撮りたくなったらワンタッチでクリップからカメラを外し、撮り終わったら右手を後ろに回してクリップに差し込むだけで収納終わり。普段はストラップを外してバッグに直接ぶら下げて持ち運び、カメラだけで持ち歩きたいときはワンタッチのストラップを取り付けて持ち出すという機動力抜群なスタイルでカメラを運用することが出来るのだ。
むき出しのカメラをバッグからぶら下げるのは不用心にも思えるが、ぶら下げたカメラは背面に回るので正面からは見えず、クリップもクリップで挟み込むバッグのキーテザーも相当に頑丈なので、ひったくりはおろかナイフで切ろうにも(少なくともエスカレーターや電車でコソ泥に与えられた数分程度では)まず無理。よほど治安が悪いところでもなければセキュリティ面でも心配はないだろう。

この優れモノは我が国でももう少し普及してもよさそうなものだが、意外に自分以外のユーザーをついぞ見かけたことがないのでここいらで一つご紹介の巻。

 

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振り返るとこんな感じでバッグにぶら下がっているのが見え

 

北の大三角形の旅(序)青の都から行先変更、ロックダウン前夜の欧州へ

突然の日本人お断りのお知らせ

3月初め頃に取得する予定であった年に一度の連続休暇で当初予定していたのは中央アジアへの旅。キルギスから入り、タジキスタンウズベキスタンと西へ向かい、青の都サマルカンドあたりまで周遊する予定を立ててキルギスまでの航空券まで取ったところで、出発予定の三日前に飛び込んできたのがキルギスの日本人に対する(事実上の*1)入国禁止というニュース。

 

ロックダウン直前の欧州へ行先振り替え

ギャース!購入した航空券は格安なのでキャンセルしても返金はほぼない(購入時に返金保証の保険を付けておけばよかった)。ン万円の損を泣き寝入りして今年の休みは家で寝連休とするか損を承知で別の行先を決めるかを突然迫られることになって急遽組み立てた北への旅。

シリウスベテルギウスプロキオン冬の大三角形と呼ぶのになぞらえ、アイスランドスヴァールバル諸島フェロー諸島と極北の島を巡ったこの旅を北の大三角形の旅と名付ける。終業後のオフィスでああでもないこうでもないとコスト優先で組み立てたフライトスケジュールは10日間の旅程で実に搭乗が11回と殆どパズルのようなもの。
短期間にこれだけフライトが集中するとさすがに怪しまれてパスポートコントロールで妙に根掘り葉掘り聞かれたり、セキュリティでは漏れなくテロリストチェックを受けるようになったりするが、結果からすると今回の行先も大当たり。いずれの国も街も今回のような駆け足でなく一週間ぐらい腰を据えて滞在したいところばかりで、いつか再訪問する時の為にここに書きつけることとする。

後から振り返ると旅の日程は欧州各国が立てて続けにロックダウンする直前期にあたり、あと十日も後ろにずれ込んでいたら自分も帰路に発つ前にロックダウンに巻き込まれていた筈。普段であれば海外のどこに行っても目に入る筈の中国人、日本人、韓国人がどこに行ってもまるで目に入らないという珍しさも含め、ひときわ印象深い旅ではあった。

 

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これが北の大三角、物凄く北側(語彙力)

 

 

*1:2月末時点で日本人は2週間の隔離で経過観察、異常がなければ入国を許されるという措置。今にして思えばこれでもまだ緩かった

アベノマスク

全世帯の4%しか配布されていないと報道されていた先週のうちに早々に我が家の郵便受けに配達されていた噂のアベノマスク。皆の衆すまんの。と思いつつ手に取ると

 

これは…

 

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比較用に並べた三層サージカルマスク

お洒落か。この小ささがシャレオツなのか。昔ながらの布マスクとしてはとりわけ小さいという程でもないが、今どきのサイズからするとこれは…うーむ。

 

こんなの二つに440億円だか使うくらいならバタバタと倒れている飲食店や美容室の補償にでも当てた方が良かったのではないかと。

何だか存在意義の分からないこのガーゼ五層マスク、使いようがないのでお出汁を濾すのにでも使おうかと思う。知らんけど

 

どうせならこっちのアベノマスクを配布した方が洒落が効いてて良かった。支持率ガタ落ちか爆上げかのハイリスクハイリターン路線だが、今の日本人にこれを洒落として受け入れる素地があるかが問題ではある。多分ない

 

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アンチジャイアンツには逆効果か?



 

シール剥がしですっきり

我が家が本当の我が家になるのを待っていたかのように僅か9年半の短い生涯を終えたパナソニックの洗濯機に代わり購入したシャープの二代目洗濯機、折角のまっ平らな天板に所狭しと貼られたシールでそのデザインも台無し。
洗濯機も電子レンジも冷蔵庫も、家電に貼られたシールを剥がすことでごちゃごちゃした風景が少しでもすっきりするのであれば遠慮なく剥がす剥がす。シールの注意書きに書かれているレベルの内容は漏れなく取説に載っているので後生大事に取っておく理由は一つもない*1。視覚情報は可能な限り少なくするのが極小の家を少しでもすっきり見せるためのささやかなライフハック

 

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あー鬱陶しい

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これですっきり。電源ボタンのプリントもコンパウンドで消そうかな

 

*1:さらに言えば取説など速攻で必要なページだけ電子化して捨ててしまうのが吉

おろしや国一週間(22)二都から空港へのアクセス

国の玄関である空港に降り立った人はほぼ全てがそのまま街へ行くので、所謂先進国と呼ばれる国であれば降り立った空港から街へのアクセスは整えられているし、どう行けばいいか分からないと困ることはまずない*1。しかしその逆はどうかというと今一つ分かり辛いところがあるのは否めない。なかなかの格式とお値段の大型ホテルなら空港までのシャトルバスが出ていたりする場合もあるが、多くは自力で辿り着く必要がある。
お金さえあればタクシーが一番楽だが、万国共通で一番高くつくうえに到着時間が読めない。到着時間が読めないのはバスも同じで、渋滞の心配なく速やかに到着するには電車しかない。ということで自分は可能な限り電車を利用することにしている。

 

1.モスクワ市内からシェレメチィエボ空港はらくらく

モスクワ市内から空港へのアクセスはタクシーを除けば地下鉄とバスの乗り継ぎかベラルースキー駅からのエアポートエクスプレスがあるが、楽なのは断然後者。ロシアは交通機関料金も安いので、都心部に投宿ならほぼエクスプレスの一択となる。

 

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べラルースキー駅は地下鉄5番線と7番線のベラルースカヤ駅と直結していて、飛行機マークを目指して歩いていけばあっさり辿り着けるようになっている。

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エアポートエクスプレスの表示

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空港行きエクスプレスの窓口

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券売機でチケットを買う

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もちろんクレカOK

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料金は950ルーブル=1400円程度。安い

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およそ30分に一本、所要時間およそ30分
 2.サンクトペテルブルク市内からプルコヴォ空港は少し面倒

サンクトペテルブルクからプルコヴォ空港までは少しだけ難易度が高い。この街は空港から市内への鉄道アクセスが未だ整っていないので、タクシーを使うのでなければ必然的に地下鉄と路線バス(エアポートリムジンバスじゃないのね)の乗り継ぎで空港に辿り着くことになる。

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こちらはほぼ郊外

まずは空港行きのバスが出ている地下鉄駅、青い2番線の終点の一つ手前のモスコフスカヤ駅まで行く。
プラットフォームに降りると取りあえず空港行バスを示す標識に従って進む

 

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外国のバス停あるあるだが、幾つもの路線を数少ないバス停で兼ねていて、しかもバスには路線番号以外の表示がない。少しばかり緊張するところだが、柱の標識で空港行は39路線であることを把握して地上に出る。

バス停は案の定のごちゃごちゃぶりで且つ英語表記もない、ここで行先を間違えたら一巻の終わりなので注意深く39路線の表示を探す。

 

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11路線兼31路線兼39路線兼59路線のバス停を発見

唯一の空港行きのバス停にも関わらずこの無愛想さがおそロシヤ。
初めは面食らうが、余程の早朝か深夜でもなければよく見れば自分と同じ空港行きの旅行者がスーツケースと共に立っている筈なのでどのバス停か見当もつかないことはない筈だ。

 

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39と表示されたただの路線バスが到着

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空港までは15分程度、料金は路線バス統一料金の100円位だったかとにかく安い

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到着

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表のカジュアルなカフェは

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営業時間外で残念

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サンクトペテルブルクで唯一残念だったのがこのプルコヴォ空港で、受付カウンターの意地悪な姉ちゃんには機内持ち込みは一つまでと嘘をつかれて機内持ち込みの荷物を強引に預け荷物にされ(挙句に乗り換えのモスクワでロストされ)、セキュリティの空港職員の兄ちゃんには人種差別的な口を利かれたりとロクな印象はない。空港までの道のりの面倒くささもあわせ、ロシアを旅するのであればモスクワから出国できるよう日程の調整を是非ともお勧めしたいところ。

 

*1:これが所謂後進国だと空港から街中への公共交通機関は皆無でアクセスはタクシーのみ、しかもほぼぼったくりの白タクであったりするような場合が珍しくない